Fevrier

  • artist: Yannick Dauby
  • format: CD
  • release: 22 november, 2006
  • price: 2,100 yen (tax incl)

  • 1. 0:18:00
  • 2. 0:09:30
  • 3. 0:11:16
  • 4. 0:10:28
  • 5. 0:05:45
フィールドレコーディングのコラージュをメインに電子音が巧みに混ざり合って構成された当アルバムは、終始ドラマティックであり、次の展開を期待させる作品になっている。
鼓膜を圧迫される音響。コンクレート的な物音。意味深なドアの開閉音。幾つもの自然音・・・。様々な日常/非日常の音響現象に強い関心を抱く、フランスはリオン在住のサウンドアーティスト、Yannick Dauby。 フィールドレコーディングされたソースを丁寧にコラージュさせていくその手法は、聴覚的には勿論、視覚的にも様々な情景を想起させてくれるような、ドラマ ティックな原風景をよぎらせる。静謐さに反する獰猛なる音の波。それらを形而上で並列させ、丁寧に構築していくであろうその姿勢は、数多のフィールドレ コーディング作家を凌駕してみせる。 コラボレート作品も多数発表しており、Box MediaやMile Plateaux等国内外問わず、勢力的に活動を行っている。

高橋 潤(Hurry, Hurry, Right This Way...)
フィールドレコーディングを得意とするフランス人アーティストのアルバムが、山形のレーベルから届いた。日常の具体音や物音を巧みにコラージュし、ストイックなまでに静謐な音響世界を構築。安易なドラマトゥルギーに頼ることなく、禅のごとき深遠なる境地に達している。

CDJournal 2007年2月号より
アーティスト(その言葉に当てはまる定義のもの)として、最も困難なのは努力しないこと、つまり単に作成することである。また、その過程は、技術を越えて、知る価値のあるものを見事に私たちに訴えかける。実に多くの「音楽」は、セオリーによって押しつぶされ、彼らの能力?と呼ばれるもの全てをリスナーに伝えることのみを目的とするアーティストによって創造される。

ペースを集めること、曲中にフィールドレコーディングを使用することは、同じく悲しい運命から逃れることはできない。しかしながら、市場における新しい時代の限りないストックと、重く、乱暴に、そして稚拙に、彼らの持つわずかな繊細さの中で、フィールドレコーディングに対し、創造力に富んだアプローチを用いるアーティストは、永続的な重要性をもつ音楽を創造する。

傑出した「in drawing」に続き、Cherryはこの小さく、限定された市場に、もう一つの素晴らしいリリースを行った。

前述のリリースについて、ひとつ告白しよう。「Fevrier」のファーストトラック(18分)をきいて私は、強烈で、残酷と言っても過言ではない、雷嵐の大洪水と対峙したのだ。その音の狂暴性は、自然の脅威から逃れようとする私たちの無力さを、私たちに思い起こさせるよう計算されているようだ。だから私は、Yannickはその力強さを少しも損なわず、音を捕らえることに確かに成功したのだと思う。

このCDの5つのトラックは、全てフィールドレコーディングによるのだろうか?いくつかは明らかだが、そうでないものは、身の周りの隠れた音を探らなければ分からない。Yannickは、エレクトロアコースティックのように、またはフォノグラフィックガーベッジのように聞こえるかどうかは関係なく、彼のレコーディングから、断片を「構成する」ため、さらに様々な技術的プロセスを用いることができる数少ない人間の一人である。

自然の音を使った尊敬すべきスキルと、Cherry musicの、高いレベルでのリリースのクオリティーへのアプローチのコンビネーションは、「Fevrier」を 、リリースカタログへの素晴らしい追記とした。


As an artist (whatever definition one applies to that term) the most difficult struggle is to not struggle- to simply create. So much ‘music’ is weighed down by theory and made by artists who’s main aim is only to tell the listener all about their so called skills ? in the process they rarely tell us anything worth knowing beyond the technical. Gathering pace, the use of field recordings in music is subject to the same sad fate. However, somewhere between the endless stock of bland new age environmental recordings on the market and the plethora of releases showcasing artists who apply heavy, rough, unskilled hands to natural sounds, there are a few who’s subtle, imaginative approach to field recording is creating music of lasting importance. Following the outstanding ‘in drawing’ cd, Cherry have added another fine release to this small, select area. Having said that, I confess that I struggled with the intense, almost brutal deluge that emerges from the thunder storm of the first (18 minute) track on ‘Fevrier’. The ferocity of sound seems designed to remind us of our inability to escape the power of nature. So, I suppose, Yannick has indeed succeeded in capturing the sound with its power intact. The 5 tracks on this cd are all based around field recordings ? some are obvious and some are more to do with the search for hidden sounds in our environment. Yannick is one of the few who can also apply various technical processes in order to ‘compose’ pieces from his recordings without the results sounding like electro-acoustic / phonographic garbage. The combination of his respectful skills when using natural sound and Cherry music’s high level approach to the quality of their releases makes ‘Fevrier’ a fine addition to it’s catalogue.

Jez riley French